気ままな暮らし

お金に関すること、世の中に関すること

ビットコインが世の中に出てきた経緯

ビットコインは、どこかの会社が運営しているわけではありません。しかし、今、イン
ターネット上に存在しているということは、誰かが始めたのは間違いありません。

ここでは、ビットコインの誕生について考えてみたいと思います。このような歴史(と言えるほど長くはないですが)を知ることで、ビットコインのコンセプトを知ることができます。


ビットコインは、中本哲史(なかもと さとし)という人物が暗号システムについて議論
するメーリングリストに2008年に投稿した論文に基づいて作られています。この論
文では、中央集権制の通貨ではなく、P2Pでの分散処理で数学的に証明可能
なデジタル通貨のシステムについて書かれています。

非常に画期的なアイデアなのですが、不思議なことに『中本哲史』という人物が誰なのか未だに分かっていません。『中本哲史』という名前から日本人が発明したと書いている人もいますが、投稿されたメーリングリストは世界中の人が参加し、英語で議論されています。論文も英語で投稿されていて、日本人なのかどうかも分かっていません。

この論文の内容が非常に面白いものだったので、実際にどのように動作するの
か、どのように実装できるのかオープンソースで作られるようになりました。このよう
に、実験的な意味合いでスタートしたビットコインなので、誰もこれを『お金』と交
換できるなんて考えもしていませんでした。

 

最初は実験として研究者やコンピュータエンジニアたちがやりとりしていたビットコイ
ンですが、2010年5月にラスロー・ハニヤットというプログラマーが面白半分に「ビットコイン1万枚あげるから、誰かピザと交換して!」と投稿し、これにイギリスの男性が
ピザ2枚の交換に応じたことで、これが世界初のビットコインによる商取引と言われ
ています。ちなみに、今のレート(2014年1月)で換算するとピザ2枚で約9億円とい
う大豪邸と同じ金額になってしまいます。


当初はゲームのように遊んでいたビットコインなので、関心もなくなりそのままほった
らかしにして忘れていたという男性もいます。ふと、ニュースで、今やとんでもない価
値を持つものになることを知り、驚いてパソコンのハードディスクをチェックしたら、すでに古いパソコンを捨てた後だったというニュースもあります。

この不幸なのか幸運なのか分からない男性、イギリスのウェールズに住むジェームズ・ハウエルズさんは、埋め立て地にあるゴミ捨て場でブルドーザーを使って必死にハードディスクを探しています。今の価格にして7億円にもなっているのですから、必死でしょうね(笑)。


このように、ビットコインは、元々は研究者たちが、実験的な意味合いで始めたも
のが、コンピュータ好きの人たちに広まり、いろいろな実験や遊びを繰り返すうち
に、ビットコインが『お金』として十分に耐えうることが分かってきました。

そして、徐々に『お金』と交換されるようになり、現在のような状況になったのです。
最初にビットコインが登場したのが2009年です。当時、日本では自民党政権
倒れ、民主党政権になり、鳩山総理大臣が誕生した年です。このとき、ほんの一
部の研究者の間でスタートしたのです。

すでに説明したように、これだけ広まっているビットコインは誰かが管理しているもの
ではなく、インターネットにつながりさえすれば使えます。これが『お金』として世界を駆け巡っているというのは、今までの経済と違う『何か』が動き始めていると実感で
きるのではないでしょうか。