気ままな暮らし

お金に関すること、世の中に関すること

どうしてクレジットカードで商品を購入することができるのか?

ポイントサービス、電子マネーと説明してきましたが、いよいよクレジットカ
ードについて考えてみましょう。

クレジットカードは、ポイントが貯まっているわけでもなく、『お金』がチャージされているわけでもありません。さらに、クレジットカードに連動している銀行口座にお金が入っているわけでもありません。

でも、お店で買い物をすると、店員は、ニコニコしながら商品を渡してくれます。お店の人は、なぜ商品を渡してくれるのでしょうか。あなたがしたことは、カードを出して、サインしただけです。
「それがクレジットカードだからじゃないか!」って言いたくなるかもしれませんが、店員からすれば、クレジットカードとは、お店にはお金が入ってくることが約束されているということなのです。

だからこそ商品を渡してくれるのです。もっとも、クレジットカード会社は、後日、購入した人に建て替えたお金を請求してきますが。

では、その『約束』はお店と誰がしているのでしょうか。残念ながら、目の前にいるク
レジットカードを持ってきたお客さんではありません。クレジットカード会社とお店の
間で交わされている約束です。

商品を買ったお客さんは何も関係ないというのは変な感じですが、クレジットカード会社から代金が支払われるのであって、スーパーのハウスカード(そのスーパーが発行したカード)しか使えない場合は、アメックスのプラチナカードを持っていても商品を渡してくれないってこともあります。

このように『お金』のやりとりが行われるのですが、ポイントサービスや電子マネー
違うのは、クレジットカードではカードの利用者、加盟店について審査があるという
ことです。

申し込めば利用できるのではなく、『信頼できるかどうか』という審査があ
るのです。これが、クレジット=信頼という意味になります。ちなみに、クレジットカードを持つというのは、クレジット=信頼のある人になるという意味になります。

日本では会社勤務をしていれば比較的簡単にクレジットカードの審査が通ります
が、海外ではそれほど簡単ではありません。

私自身、アメリカで仕事をしていたときは簡単にはカードを作ることはできませんでした。百貨店だけで利用できるカードからスタートして、カード利用履歴を作って『信頼』を築いていかないとクレジットカードにまで辿り着けません。

クレジットを担保にしてお金を立て替えてくれるサービスなので、クレジットが減って
くるとサービスを受けられなくなります。クレジットが減るというのは、クレジットカード会社からの請求がきても支払うことができないことです。

こうなると、『期日までにお金が用意できない。収入を超えてカードを利用している。』という判断になり、クレジット、つまり『信頼』がなくなっていきます。

これを繰り返すと、キャッシング枠が狭められて、30万まで買い物できたのが10万円までしか使えなくなり、最終的には、いわゆるブラックリストに名前が掲載されてしまいます。

そうなると、カードが使えなくなるだけでなく、新規のカードも作ることができません。『信頼』のデータは、共有されているので、分割払いやローンも利用できなくなります。

失ったクレジットを取り戻すのは、なかなか大変で、5年から7年の期間、安定した
収入がないと取り戻せないと言われています。ちなみに、ブラックリストという名簿が
存在するのではなく、与信情報を管理している団体の中で、滞納履歴が記録さ
れることを意味しています。

余談ですが、携帯電話やスマートフォンを購入するのに『実質0円』という宣伝が
ありますが、そのカラクリを十分に理解せず、ブラックリストに掲載されてしまう若者
が出てきています。

『実質0円』は、機器代金そのものは分割払いになっていて、
携帯会社に支払う月々の通信料から支払われています。利用者は、通信費を払っていると思っているかもしれませんが、実際は、ローンの分割払いをしていることになります。
問題は、通信料を払っていると思い込んで、支払いが延滞しても通話できなくな
るだけだと勘違いしていることです。実際は、通話できなくなるだけではなく、ローン
の支払能力がないと判断されることになり、ブラックリストに登録されます。

本人は、そんなことになっていると思っていないので、社会人になってから、バイクや車、高価な楽器などをローンで購入しようとすると審査が通らないということになりま
す。この『実質0円』は、今後、大きな社会問題になってくる可能性があります。

話を戻して、もし、クレジットカード会社の請求を支払わないとなった場合、お店
側はどうなるのでしょうか。電話がかかってきて、「先日のカードで購入したお客様
から支払がないので、代金は振り込みません」ということにはならず、カード会社が
負担することになります。

だからこそ、カード会社はクレジットカードを発行するときに審査をするのです。
こうやって考えてみると、クレジットカードは、『信頼』をベースにしてお金をやりとりしていることになります。

もう少し細かく言えば、クレジットカードでの『信頼』とは支払能力があるという意味になります。ポイントサービスや電子マネーとは、かなり違う仕組みでお金が動いていて、『お金』を動かす仕組みとして、『信頼』を基本にしています。

そういう意味では、誰もが交換してくれるという『お金』の信頼と似たような基本構造になっていることが分かります。

クレジットカード
・クレジットカード会社による立替払いのサービス
・『信頼』の度合いによって立替金額が決められる
・クレジットカードを作るには支払能力があるかどうかの審査が行われる
・クレジットカードを利用すると購入履歴がカード会社に記録される
なお、クレジットカードでのショッピングに関しては、割賦販売法によって定められて
いて、厳しく規制されています。また、カード・ローンに関しては、賃金業法などで
厳しく規制されています。